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執筆者の写真GUEST HOUSE IOLY 庵 OSAKA

またね!

ゲストハウス庵(いおり)大阪 に、スロバキア人とスロベニア人の男性二人組が宿泊されました!!


当日の直前宿泊予約でしたが、当館に到着した彼らを私は

「アホイ!(Ahoj!)」と、スロバキア語で迎えました。


以前、私はイギリスに住んでいた時に、チェコ人やスロバキア人の友人がいたり、チェコやスロバキアに行ったことがあったので、スロバキア人と話すこともスロバキア語を思い出すことも20年以上ぶりのことですが、記憶とは面白いもので、こういったことはすぐに思い出すことができました。頭の中にスロバキア関連の記憶の引き出しがあるのでしょうね。

ちなみに、「アホイ」は英語のHelloと同じ意味合いです。


スロバキア語で私が出迎えたことに驚いた彼らに「スロバキアに行ったことがあるよ。」と私が言うと、「スロバキアのどこに行ったんだい?俺はコシツェ出身だ。」と彼。う~ん、コシツェという地名はとっても聞き覚えがあるけど、行ったかどうか思い出せませんでした。記憶の引き出しはどうしてしまったんでしょう。


私がイギリス留学していた当時はまだ東欧諸国はEUに加盟しておらず、日本のパスポートでEU圏内はビザ申請なしで渡航できましたが、東欧の国に行こうとすると、事前にビザの申請が必要でした。

スロバキアに行くために、イギリス・ロンドンのスロバキア大使館でビザを申請して観光ビザのような短期のものを取得したのでした。

そして、スロバキアの首都ブラティスラバに滞在していた時に、そこからバスで行ける隣国オーストリアのウィーンに日帰りで行ったのですが、そのときのことを彼らに話し、「ブラティスラバからウィーンまでバスで2時間ぐらいで行けたんだよ。」と語ると、スロバキア人の彼は、「1時間で行けるよ。ホントに近いんだ。」と返します。おや、また私の記憶の引き出しの問題でしょうか!?それとも、ここ20年でバスが速くなったのでしょうか!?


そして、当時、西ヨーロッパ側だったオーストリアには日本のパスポートでビザ申請なしで行けたのですが、問題はスロバキアへの帰りでした。

当時、イギリスの学生ビザでイギリスや西ヨーロッパを訪れていた私には寝耳に水の出来事でしたが、その日の朝にスロバキアを出国してオーストリアに入国したことによって、ロンドンで取得したスロバキアのビザが無効になっていたというのです!!

私だけ一旦バスを降りて国境のオフィスのような所へ連れていかれて、そこでなかなかいいお値段のするビザを買い直すハメとなりました…。

そんな話を彼らに語って聞かせると、若い彼らには東欧諸国がEU加盟以前のことは遠い昔話だったようですが、逆に今はイギリスの方がEUを脱退しているので、イギリスに入国するときにこそビザの申請が要るということを話してくれました。う~ん、確かに!


日本に着いて二日目という彼らは、関西空港から日本に入国し、大阪、京都、静岡を観光して東京へと向かうプランとのこと。

しかも、コロナ過にも負けず、スロバキアの男性はここ3年ほど故郷に帰ることなく旅を続けているそうで、日本に来る前はマレーシアやフィリピン、タイなど東南アジア諸国を旅していて、さらにその前は中米コスタリカにいたそうです!

同じ東欧のスロベニアの彼とはヨーロッパで知り合ったのかと思いきや、旅の途中のコスタリカで知り合って、それ以来一緒に旅を続けているそうです。

スロベニアの彼も、タイやインドなどを旅してきたそうです!

お二人ともグラフィックデザイナーなどネット上でするお仕事だそうで、場所を選ばずに仕事ができるそうで、長期にわたる旅ができるのはそのためだそうです。


日本だけを巡る旅ではないようですが、しかし、日本についていろいろ調べたり、日本関連のYouTube動画を観たりしてきたようで、日本や大阪について私が何か紹介すると、「聞いたことある!」とか「動画で観た!」と好反応でした!☺


また、日本語もいくつかのフレーズや単語を覚えているようで、ただ名所を観光するだけではなく日本の人と触れ合いたいという気持ちが伝わってきました。☺

「どこに行けば日本人と会話できる?」とか

「日本人女性と仲良くなるにはどうしたらいい?」などと聞いてくれました!😆


また、「『さようなら』って使うの?」と、いい質問をしてくれました。

そこで私は、「『さようなら』は確かに別れの挨拶だけど、今後もう会わないような含みがあるよ。」と答えました。

「じゃあ、なんて言ったらいい?」と彼ら。

少し考えて、私は

「そうだね、『またね!』と言ったらいいよ。これは英語で言う 'See you again!' みたいな意味だよ。」と伝えました。彼らは痛く納得してくれ、まるで日本語レッスンかのように、「ま・た・ね!」とリピートしてくれました。☺


普段、当館ではウェルカムドリンクとして、ソフトドリンク、ワイン、日本酒を提供しているのですが、彼らが当日直前予約だったこの日はワインも日本酒も用意がなく、私の個人的な好みで買っていたエビスビール(青)をひと缶ずつ振る舞いました。

それを見て、そのうちの1人が、

「これは『イェビス』と言うのかい?」と私に聞きました。

ごもっともです。

なにしろ、ローマ字では 'YEBISU' と表記されているのです。日本円の「円」も英語では 'en' ではなく 'yen' ですね…。

そこで私は「これは『エビス』というんだが、確かにこの綴りだと『イェビス』と読めるよね。」と返しました。


すると、そこで二人は大爆笑!!😆


あっけに取られている私に、スロバキア人の彼が説明しました。

「スロベニア語で『イェビス!』って言ったら、 'Fuck you!' っていう意味なんだよ。」と言って、もっと笑いました!🤣

同じスラブ系の言語ということで、スロバキア語でもスロベニア語でもビールは「ピボ」と言うけど、「イェビス」が 'Fuck you!' を意味するのはスロベニア語であってスロバキア語にはないそうです☕


そのほかにもお酒の話で盛り上がり、私がロンドンでハウスシェアをしていた時に一緒に住んだチェコ人男性が、ラベルの無いボトルを持って来て、その中の透明なお酒を一杯飲ませてくれて、「一杯だけだと片足分だけだから、もう一杯飲め!」と言われて、そのキツイ蒸留酒を二杯、一気に飲んだ話を彼らに語ったところ、まるで自分の話かのようにうんうんと頷き、笑い、チェコやスロバキアでは家庭で自家製の蒸留酒を作って「右足に一杯、左足にもう一杯!」と言って飲むんだ、と語ってくれました!!😂


翌朝、チェックアウトの時に、スロベニアの彼が私に「さようなら」と言い、スロバキアの彼が「そうじゃないだろ!『またね!』だろ!」と言うことに。

すると、スロベニアの彼は「でも、もう来ないだろ?」と寂しいことを言います。

そこでスロバキアの彼は「そんなの分からないぞ? いつかまた来るかも知れないぞ?」と返してくれました。☺

そして、彼らも私もお互いに「またね!」と言ってお別れしました。


そうして、ゲストハウス庵のドアを閉めて、ラウンジに戻ると、なんと、スロベニアの彼の忘れ物を発見!

チェックアウト直前に連絡先を交換していたので、忘れ物の写真を撮って送り、「これ、忘れてるよ!」と文章を送りました。


しばらくして、「取りに戻る」との返信が。

戻ってきた彼に忘れ物を手渡し、私はニヤリとして言いました。

「ほら、また会ったね!」と。


そしてまた去る時、彼は「またね!」と言ってくれたのでした。☺

Enjoy your trip!

See you again!


YEBISU!!🤣




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